精選版 日本国語大辞典 「迸」の意味・読み・例文・類語 と‐ばしり【迸】 〘 名詞 〙① 水などのとび散るもの。しぶき。飛沫(ひまつ)。[初出の実例]「人の歩むにつけてとばしりあげたるいとをかし」(出典:能因本枕(10C終)二〇四)② 無関係のものにまで影響が及ぶこと。わざわいが傍のものにまで及ぶこと。まきぞえ。そばづえ。とばちり。とばっちり。[初出の実例]「水虎が科のとばしり故に相果し、隅田川の龍神の遺骨也」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後) と‐ばっちり【迸】 〘 名詞 〙 ( 「とばしり(迸)」の変化した語 ) ある人がわざわいを受けたときに、たまたま近くにいたり、少しだけ関係のあった人に、本来受けなくてもいいわざわいの余波が及ぶこと。また、そのわざわい。まきぞえ。そばづえ。とばちり。[初出の実例]「どこへ飛(トバ)っちりがかからうも知れぬ」(出典:歌舞伎・高麗大和皇白浪(1809)三立) と‐ばちり【迸】 〘 名詞 〙 =とばっちり(迸)[初出の実例]「何か訳があらうともそっちの事の腹立ちで、大道へ打附けた茶碗のとばちり」(出典:歌舞伎・恋慕相撲春顔触(1872)) と‐ばしる【迸】 〘 名詞 〙 ( 「とばしり(迸)」の変化した語 ) 勢いよく飛びちった液体。とばっちり。[初出の実例]「藤浪のとばしるなれや松の露〈覚玄〉」(出典:俳諧・ゆめみ草(1656)春) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例