さか‐おとし【逆落】
- 〘 名詞 〙
- ① けわしい崖、急坂などを落ちくだること。高い位置から急降下すること。
- [初出の実例]「義経ひよ鳥ごへ鉄枴峯(てっかいがみね)より、平家の城の真中へさかおとしに落し入」(出典:浄瑠璃・念仏往生記(1687頃)一)
- ② 急流をいう。
- ③ 逆にひどい目にあわせること。
- [初出の実例]「此女郎に坂(サカ)おとしにせられて」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)一)
- ④ 向きをさかさまにして落とすこと。
- [初出の実例]「白い泡が一町ばかり、逆(サ)か落(オト)しに噛み合って」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉五)
- ⑤ 状態が好ましくない方へ向かって急激に変化すること。
- [初出の実例]「気候が逆落(サカオト)しに寒くなって」(出典:欧米印象記(1910)〈中村春雨〉プリンストン雑記)
- ⑥ 柔道などで相手をさかさまに投げおとすこと。また、その技。
さかさ‐おち【逆落】
- 〘 名詞 〙 落語のさげの一つ。落ちを先に言ってから話を始めるもの。また、物事が逆の結果に終わるところに、滑稽味をだすもの。「妻の釣」「王子の狐」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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