…この中には,調査の過程で公式の〈保護処分〉に付するまでもなくすでに少年本人の自覚や周囲の状況からふたたび非行におちいる可能性がないと認められた事案や,保護的措置により再非行の防止が図られていると認められた事案が少なからず含まれており,この場合審判不開始の決定は単なる手続の打切りではなく,公式の処分を回避しつつ少年を早期に社会復帰させるという積極的な機能を果たしている。このほか調査の結果,児童福祉法の規定による措置が相当と認められた場合は,事件を知事または児童相談所長に送致する決定(18条)が,また16歳以上の犯罪少年につき,罪質および情状に照らして刑事処分が相当と認められた場合は,事件を検察官に送致する(これを〈逆送〉という)決定(20条)がなされて,事件は少年審判の手続から離脱されることになる。 これに対して,家庭裁判所が少年審判を行うのが相当であると認めた場合には,審判開始の決定(21条)が下され,非行の事実を認定するとともに少年に対する保護処分の要否とその種類を決定するための審理手続が開始される。…
※「逆送」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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