禁錮(読み)きんこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

禁錮
きんこ

受刑者を監獄内に拘禁するだけで,労働を強制しない自由刑のこと (刑法 13条2項) 。定役の義務のないこと,刑法の累犯加重規定や行刑累進処遇令の各適用がない点で,同じ自由刑である懲役刑と区別される。禁政治犯などの名誉を尊重した刑だとされるが,最近,自由刑を単一化し,懲役との区別を否定しようとする意見も有力に主張されている。現行刑法における禁錮は1ヵ月以上 15年以下とされている (13条1項) 。

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デジタル大辞泉の解説

きん‐こ【禁錮/禁固】

[名](スル)
一室に閉じ込めて、外へ出るのを許さないこと。
「罰として、土蔵の中に文緒を―するつもりなのであった」〈有吉・紀ノ川〉
自由刑の一。刑事施設拘置されるだけで刑務作業は強制されない刑罰。無期と有期の2種がある。→懲役
(禁錮)仕官の道を閉ざして仕えさせないこと。
「我をも仕への途(みち)を―せられて」〈折たく柴の記・上〉

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百科事典マイペディアの解説

禁錮【きんこ】

自由刑の一種。刑事施設(旧称監獄)に拘置するが,懲役と異なり定役(刑務作業)を義務的に課さない。禁錮には無期と有期があり,有期は1月以上20年(2004年改正前は15年)以下で,加重(30年まで。同改正前は20年まで)・減軽もできる(刑法13,14条)。主として政治的な非破廉恥罪や過失犯に対して規定。
→関連項目刑罰刑法公民権停止執行猶予被選挙権

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とっさの日本語便利帳の解説

禁錮

刑務所に拘置されるだけで、懲役と違い刑務作業は強制されない刑。請願すれば作業を行うことができる。有期禁錮(一カ月以上一五年以下が原則だが加重すると二〇年もあるし、減軽すると一カ月以下もある)と無期禁錮がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

きんこ【禁錮】

受刑者を監獄に拘置することを内容とする自由刑の一種。終身を意味する無期と,1ヵ月以上15年以下の有期とがあること,無期禁錮にも仮釈放はあること,有期禁錮は加減によって最高20年,最低1ヵ月以下になること,特定の場合に(現在は実際上9割ほども)執行猶予がつくこと,少年には不定期刑もあること,などは懲役と同じであり,老齢等を理由とする執行停止があることは拘留とも同じである。強制作業たる定役のない点で懲役と異なる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

禁錮
きんこ

自由刑の一種。刑法で規定される(9条、13条など)。自由刑とは受刑者を刑事施設に拘禁してその自由を剥奪(はくだつ)する刑罰で、現行刑法には、自由刑として懲役、禁錮のほか、短期(1日以上30日未満)の自由刑としての拘留がある(刑法12条、13条、16条)。懲役と禁錮には1月以上20年以下の有期と無期とがある(ただ、刑法14条により、有期の場合も30年まで加重することができ、1月未満に下げることも可能である)。
 懲役と禁錮では受刑者を刑事施設に拘置することになるが、懲役の場合には受刑者に労務(刑務作業)が義務づけられるが、禁錮ではこれが義務づけられない。ただ、禁錮の場合でも、受刑者は請願により作業(請願作業という)に就くことができるが、いったんこの作業に服すると、正当な理由なくしてこれを免れられない。
 ところで、懲役と禁錮とは犯罪行為そのものの性格に関し、破廉恥な動機による場合か否かの区別に対応し、禁錮は、政治犯などの確信犯や過失犯のように非破廉恥的動機による場合に科すべきものと一般に解されている。しかし、このような懲役と禁錮とを区別する現行法に対して、破廉恥な犯罪であるから労役を強制するというのは前近代的な労働蔑視(べっし)の思想であるとか、破廉恥か否かの区別は不明確であり、すべての犯罪をいずれかに分類することは不可能である、などの批判が強い。このような立場からは、懲役と禁錮との区別を廃止して、両者を一本化すべしとする「自由刑の単一化」が主張されている。[名和鐵郎]

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世界大百科事典内の禁錮の言及

【刑罰】より

…やがて,フランス刑法を範とした旧刑法(1870公布)は,きわめて多様な自由刑を認めたために,刑名も多くなった。死刑,徒刑,流刑,懲役,禁獄(以上,重罪の主刑),禁錮,罰金(以上,軽罪の主刑),拘留,科料(以上,違警罪の主刑),および,剝奪公権,停止公権,禁治産,監視,罰金,没収(以上,付加刑)がそれであった。現行刑法(1907公布)は,刑の種類をはるかに制限し,徒刑(とけい),流刑(いずれも,犯罪人を離島などの遠隔地に送致し,その地において有期または無期間滞在させる刑。…

※「禁錮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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