通堂(読み)とんどう

日本歴史地名大系 「通堂」の解説

通堂
とんどう

[現在地名]那覇市通堂町

近世の西にし村の南辺、那覇港に面する。海中に突き出した通堂とんどう崎一帯をいう。東はひがし村の属村渡地わたんじ村に面する。近代に至って通堂崎と渡地の間を埋立て、全体を通堂町とんどうちようとした。

通堂は元来、迎恩げいおん亭の別称で(琉球国由来記)、一七世紀初頭にはすでに用いられていた(喜安日記)。通堂の建つ突堤を通堂崎と称するようになった。冊封使渡来時、冊封使は港内に停泊する冠船から小船で通堂崎に登岸、迎恩亭で琉球の百官の出迎えを受けていることから、通堂崎は着船のための突堤として整備されたものと推測される。同治五年(一八六六)の冠船之時御座構之図(県立博物館蔵)の冠船御入津・御乗船之時通堂迎恩亭并御座構之図には、通堂崎の先端に東屋を描きながら堂名を記さず、堤の根元に通堂と記し、西村側寄りに布屋を建てて、そこに迎恩亭と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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