家庭医学館 「通気療法のいろいろ」の解説
つうきりょうほうのいろいろ【通気療法のいろいろ】
そこで、耳管を介して中耳腔に強制的に空気を送り込み、これらの病気を治療するのが通気療法です。
この通気療法は、耳管の空気の通り具合を調べる通気検査法(つうきけんさほう)としても利用されます。
通気療法には、患者さん本人が行なえるバルサルバ法、医師が行なう子ども用のポリッツェル法、おとな用のカテーテル法などがあります。
●バルサルバ法
鼻を指でつまみ、口を閉じて、強く息をはくと、耳管を介して中耳腔に空気が送り込まれます。
この方法で生じる気圧は弱く、症状が軽いときでなければ効果はありません。
●ポリッツェル法
片側の鼻の孔(あな)からゴム球を挿入し、反対側の孔は指で塞(ふさ)ぎます。そして、患者さんに水を飲み込ませるか、「ハック」「クックックー」「ガッコー」などと発音させ、同時にゴム球を圧縮して耳管から中耳腔に空気を送り込みます。両側の中耳腔に同時に空気が入ります。
●カテーテル法
加圧空気を送るコンプレッサーにカテーテル(細い管)をつなぎ、カテーテルを片方の鼻の孔から挿入、鼻の奥の耳管の入り口にカテーテルの先端をあてて、強制的に空気を送り込みます。強力で、片側だけに行なえる理想的な方法です。