耳管(読み)じかん(英語表記)auditory tube

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

耳管
じかん
auditory tube

鼓室と上咽頭側壁を連絡する長さ約 3.5cmの円錐形イタリアの解剖学者 B. Eustachioにちなんで,ユースタキー管とも呼ばれる。平常は閉じているが,嚥下,あくびなどのときには開いて,中耳内の気圧外気と等しいように調整する。小児管が成人より水平に近いため,咽頭の炎症鼓室に波及しやすい。

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百科事典マイペディアの解説

耳管【じかん】

中耳の鼓室と咽頭(いんとう)側壁との間にある管。耳らっぱ管氏管またはエウスタキオ管ともいう。内面粘膜におおわれるが,その外側半は骨,内側半は軟骨で囲まれる。鼓室内に空気を流通させ,鼓室内の気圧を調節して聞こえにくくなるのを防ぐ。→
→関連項目中耳

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家庭医学館の解説

じかん【耳管】

 耳管は、鼓室(こしつ)(鼓膜(こまく)の奥にある小さな部屋)と上咽頭(じょういんとう)(鼻腔(びくう)の奥にあって、下方は口の奥となる)をつなぐ約35mmの管です。
 耳管はおもに、換気(かんき)を行なって、中耳(ちゅうじ)と外界の圧力を同じにする、分泌液(ぶんぴつえき)を排泄(はいせつ)する、自分の声が耳に響くのを防ぐなどのはたらきをしています。ふつう、耳管は閉じていて、つば唾液(だえき))を飲み込んだり(嚥下(えんげ))、あくびをしたりしたときに開きます。

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世界大百科事典 第2版の解説

じかん【耳管 tuba auditiva】

中耳の鼓室と咽頭上部の側壁との間にある管で,その内面は粘膜でおおわれ,鼓室に近い上部は骨の中にあるが,咽頭に近い下部は軟骨がそのまわりにある。この管は骨をでてから下方にらっぱ状に広がるので,耳らっぱ管ともよばれる。またB.エウスタキオが1563年に初めてこれについて書いたのでエウスタキオ管ともいう。その名前をドイツ語式に発音して日本ではよくオイスタキー管といい,またオイEuに〈欧〉の字をあてて欧氏管ともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

耳管
じかん

中耳の鼓室の前壁にある鼓室口から始まり、咽頭(いんとう)鼻部(鼻腔(びくう)後方)の外側壁にある耳管咽頭口に開く長さ36ミリメートルの管をいう。耳管の壁は、鼓室寄りの長さ12ミリメートルほどが骨からなり(骨性部)、咽頭寄りの24ミリメートルが軟骨と線維性結合組織からなっている。耳管軟骨は耳管壁の内側、上壁、外側壁を囲み(軟骨部)、下壁には結合組織がある(膜性板)。耳管の走る方向は前内下方であるが、乳幼児ではほぼ水平に走っている。さらに乳幼児では耳管が短いため、中耳炎がおこりやすい。耳管の太さは全体に一様でなく、耳管咽頭口でもっとも太く、鼓室口が次に太い。もっとも狭いのは骨性部と軟骨部との境(耳管峡)である。しかし、鼓室と咽頭とは耳管でつながれているため、鼓室の内圧は外圧と同じになっている。通常、耳管は閉鎖しているが、嚥下(えんげ)の際には口蓋帆挙筋(こうがいはんきょきん)と口蓋帆張筋が収縮し、耳管軟骨部の下壁が下方に引かれるので耳管が開く。耳管は、16世紀のイタリアの解剖学者で、ローマ法王の侍医でもあったユースタキーB. Eustachiiによってみいだされたため、ユースタキー管(エウスタキオ管、エウスターキョ管、欧氏管)ともよぶ。

[嶋井和世]


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世界大百科事典内の耳管の言及

【中耳】より

…舌弓の要素であった舌顎骨は変形し,空気呼吸をする両生類に進化するとともに,それは鼓膜と内耳をつなぐ最初の耳小骨になり,外気の振動を内耳へ伝える聴音装置となった。そして,もとの鰓孔の深部は耳管(エウスタキオ管,欧氏管)として存続している。魚類では鰓孔や呼吸孔は開通するが,四足動物では開通せず,これを鼓膜がおおっている。…

【耳】より

…内耳ということばは,周囲の骨質なども含めたこれらの諸構造の全体を指すもので,魚類の耳はこれだけでできている。次に,内耳の外側に隣接した,空気の入っている中空の区域が中耳で,外壁をなす〈鼓膜〉,〈耳小骨(鼓室小骨)〉,耳小骨を収める空間である〈鼓室〉,鼓室腔を咽頭につなぐ〈耳管〉および周囲の諸組織から成っている。中耳は音の伝達に関与する部分であり,原則として四足動物の共有する特徴である。…

※「耳管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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