逶迤(読み)もごよう

精選版 日本国語大辞典 「逶迤」の意味・読み・例文・類語

もご‐よ・う ‥よふ【逶迤】

〘自ハ四〙 (「よう」は「いざよう」「ただよう」などの「よう」、「もご」は擬態語か)
① うねりながら行く。身をくねらせて動いて行く。のたくる。
書紀(720)神代下(兼方本訓)「豊玉姫八尋の大熊鰐(わに)に化為(な)りて、匍匐(は)ひ逶虵(モコヨフ)
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六「宅の中に周匝して障有り。屈曲とモゴヨヒて堪(なほ)ること難し」
足腰が立たずはって行く。また、よろよろと行く。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「みだれあしはうごかれず〈略〉たゆれもこよひつついけば」

い‐い ヰ‥【逶迤】

〘名〙
① うねうねと曲がっていること。
空華集(1359‐68頃)一二「躡一十八盤、逶迤而登一覧亭者」 〔王粲‐登楼賦〕
② よろよろと歩くこと。また、おそるおそる歩むこと。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

もご‐よか【逶迤】

〘形動〙 龍や蛇などのうねりながら行くさま。
※書紀(720)雄略九年七月(前田本訓)「赤駿(あかうま)に騎れる者(ひと)に逢ふ。其の馬、時に濩略(モコヨカ)にして龍のごとくに翥(と)ぶ」

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