遁世者(読み)トンセイシャ

デジタル大辞泉 「遁世者」の意味・読み・例文・類語

とんせい‐しゃ【×遁世者】

《「とんぜいじゃ」とも》俗世をのがれて仏門に入った人。世捨て人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遁世者」の意味・読み・例文・類語

とんせい‐しゃ【遁世者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「とんぜいじゃ」「とんせいじゃ」とも )
  2. 俗世間を離れて仏門にはいった人。世捨て人。遁世上人。遁世聖。遁世人。とんせいもの。
    1. [初出の実例]「遁世者は、なきにことかけぬやうを計ひて過る、最上のやうにてある也」(出典:徒然草(1331頃)九八)
  3. 出家僧の中でも特に時衆(じしゅう)をさしていう。広くその系譜をうけついで、芸能や経理、美術鑑定などの特殊技能をもって諸家に出入りする僧形の者もいう。遁世人。→同朋
    1. [初出の実例]「当世都鄙に流布して遁世者と号するは、多分一遍房・佗阿彌陀仏等の門人をいふ歟」(出典:改邪鈔(1337頃))

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世界大百科事典(旧版)内の遁世者の言及

【遁世】より

…〈とんぜ〉ともいう。遁世した人のことを,〈とんせいしゃ〉〈とんぜいじゃ〉といい,中世には多くの遁世者が現れ,宗教者としてだけでなく,文学,芸能の面でも活動した。仏教のたてまえからすれば,出家して寺院に入ることは,遁世することであった。…

※「遁世者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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