遅らす(読み)オクラス

デジタル大辞泉 「遅らす」の意味・読み・例文・類語

おくら・す【遅らす/後らす】

[動サ五(四)]
遅らせる」に同じ。「時間を―・して開演する」
あとに残していく。置き去りにする。
「生ひたたむありかも知らぬ若草を―・す露ぞ消えむ空なき」〈若紫
[動サ下二]おくらせる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遅らす」の意味・読み・例文・類語

おくら・す【遅・後】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 遅れるようにする。置きざりにする。あとに残す。
    1. [初出の実例]「限りなき雲井のよそに別るとも、人を心におくらさむやは〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三六七)
  3. ( 生き残らせる意から ) 人をあとに残して先に死ぬ。先立つ。
    1. [初出の実例]「この人えまぬかれ給ふまじくは、おのれをころし給へ。かた時をくらし給ふな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  4. おそくする。遅れた状態にする。遅らせる。
    1. [初出の実例]「今年は水害と海嘯(つなみ)との為に、一ケ月を後(オク)らして九月の十三四五六日に大祭を行ったが」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉八月暦)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android