運命の卵(読み)うんめいのたまご(その他表記)Rokovye yaitsa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「運命の卵」の意味・わかりやすい解説

運命の卵
うんめいのたまご
Rokovye yaitsa

ソ連作家 M.ブルガーコフの小説。 1925年発表。世界的に高名な動物学者ペルシュフが,ある日,動物の生命に異常なまでの活動力を与える不思議な光線を発見し,それを研究する過程で,科学そのものとはまったく関係ない公的機関の単なる手違いから,爬虫類の大発生を生み,恐慌状態に見舞われた群衆になぐり殺されるという SF的世界が展開される。科学ないし合理的なものが偶然によって復讐されるという主題が,革命直後のロシアを背景に,当時の社会機構を鋭く批判する形で追究されている。そのために,ソ連の公認文学史では抹殺されたが,作者の豊かな構想力と風刺の精神に支えられたこの作品は,20年代のソ連文学を代表する傑作とみることもできる。

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