日本歴史地名大系 「道明ヶ淵」の解説 道明ヶ淵どうみようがふち 石川県:江沼郡山中町山中村道明ヶ淵[現在地名]山中町河鹿町山中温泉の東を流れる大聖寺(だいしようじ)川は、上流の蟋蟀(こおろぎ)橋から下流の黒谷(くろだに)橋まで約一キロの間は、奇岩が点在して鶴仙(かくせん)渓とよばれる景勝地となっている。その中間地付近が道明ヶ淵で、大聖寺川では最も深く、紺碧の水に東側の山影を写して神秘的な風情がある。かつて淵にすむ蛟竜に娘を殺された道明という者が、蛟竜を捕らえて懲らしめたという伝説がある。元禄二年(一六八九)七月、山中を訪れた松尾芭蕉は二九日・三〇日、八月一日と道明ヶ淵・黒谷橋付近を散策している(曾良旅日記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報