蟋蟀(読み)こおろぎ

精選版 日本国語大辞典「蟋蟀」の解説

こおろぎ こほろぎ【蟋蟀】

〘名〙
① 古く、秋鳴く虫の総称
※万葉(8C後)八・一五五二「夕月夜(ゆふづくよ)心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀(こほろぎ)鳴くも」
② バッタ(直翅)目コオロギ科に属する昆虫の総称。体は一般に円筒形で、黒褐色または褐色。触角は体より長い。後足は長く、跳ねるのに適する。草地などに多く、物の陰にかくれ、雄は夏から秋にかけて鳴く。エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギなど種類が多い。古くは「きりぎりす」といった。いとど。ちちろむし。《季・秋》
※東雅(1717)二〇「促織(はたおりめ)(コホロギ)蟋蟀(きりぎりす)〈略〉古にこほろぎといひ、今はいとどといふ者也」
③ ②に似た色。黒褐色。
④ (②などのように夜長を良い声でうたうというところから) 芸妓をいう人形浄瑠璃社会の隠語。
[補注]中世には「こうろぎ」という表記も見られるようになる。→こうろぎ

こうろぎ【蟋蟀】

〘名〙 「こおろぎ」の異表記。
※御伽草子・こほろぎ草子(室町時代物語大成所収)(室町末)「その中より、こうろきといふむし、出て申けるは、いかにかたがた、聞たまへ、誠にわれわれの、身のうへは、あさましや」

しっ‐しゅつ【蟋蟀】

〘名〙 蟋蟀(こおろぎ)のこと。しっそつ。
※凌雲集(814)重陽節神泉苑同賦三秋大有年〈嵯峨天皇〉「蟋蟀蔵声暁、蒹葭変色州」 〔詩経‐唐風・蟋蟀〕

しっ‐しつ【蟋蟀】

〘名〙 「しっしゅつ(蟋蟀)」の変化した語。

しっ‐そつ【蟋蟀】

〘名〙 =しっしゅつ(蟋蟀)〔文明本節用集(室町中)〕

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デジタル大辞泉「蟋蟀」の解説

こおろぎ〔こほろぎ〕【蟋蟀】

直翅ちょくし目コオロギ科の昆虫の総称。草の間や石の下などにすみ、体色は褐色。体はやや平たく、頭部は大きく、触角が長い。雄は前翅まえばねに発音器をもち、こすり合わせて鳴く。オカメコオロギエンマコオロギツヅレサセコオロギなど。古くは「きりぎりす」といった。 秋》「―や路銀にかへる小短冊/犀星
古く、秋に鳴く虫の総称。
夕月夜ゆふづくよ心もしのに白露の置くこの庭に―鳴くも」〈・一五五二〉

しっ‐しゅつ【××蟀】

こおろぎ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版「蟋蟀」の解説

蟋蟀 (キリギリス)

学名Gampsocleis buergeri
動物。キリギリス科の昆虫,海水魚

蟋蟀 (コオロギ)

動物。コオロギ上科の昆虫の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

普及版 字通「蟋蟀」の解説

【蟋蟀】しつしゆつ

こおろぎ。〔詩、唐風、蟋蟀〕蟋蟀、堂に在り 聿(ここ)に其れ(く)れぬ 今我樂しまずんば 日其れ除(さ)らん

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