遙拝隊長(読み)ようはいたいちょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遙拝隊長」の意味・わかりやすい解説

遙拝隊長
ようはいたいちょう

井伏鱒二(いぶせますじ)の短編小説。1950年(昭和25)2月『展望』に発表。同年6月、文芸春秋新社刊の『本日休診』に収録。絶えず遙拝式を行うことで、遙拝隊長とあだ名をつけられた陸軍中尉岡崎悠一は、マレー戦線での頭の負傷が原因で気が狂い、敗戦後も、戦時中と錯覚し、郷里の人々に遙拝式を強制したりする。少年時から神がかり的な軍国思想をたたき込まれ、それをまともに信じて狂信的軍人になってしまった人間の悲喜劇を描いた作品で、おかしみを通して、戦争イデオロギーを痛烈に告発している。戦争文学秀作である。

磯貝英夫

『『遙拝隊長・本日休診』(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 新潮文庫

新暦の 4月後半から 5月の,梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから,梅雨の晴れ間の意味で,梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれ...

五月晴れの用語解説を読む