遠江国郷村高帳(読み)とおとうみのくにごうそんたかちよう

日本歴史地名大系 「遠江国郷村高帳」の解説

遠江国郷村高帳(正保郷帳)
とおとうみのくにごうそんたかちよう

二冊

成立 正保四年

写本 兵庫県篠山市立青山歴史村史料館

解説 寛永二一年(正保元年)幕府が作成を命じた国絵図に付属して作成された郷帳。正保郷帳は一国単位で冊子に仕立てられたが、本帳は上巻榛原城東山名・佐野・周智・磐田の六郡、下巻に長上・麁玉・浜名・引名佐(引佐)・敷智・豊田の六郡をおさめる。記載内容はまず村高(実高ではなく、拝領高)を記し、田方・畠方・除地高の内訳を列記する。村名には領知関係を併記し、必要に応じて山林の種別、水損・旱損付記を行い、郡ごとに石高を集計する。遠江国全体では村数九三〇村・惣高二八万九千一八五石余、新田を含めると三〇万九千八五五石余。なお遠江国の正保国絵図は現存しない。遠江では横須賀城主井上正利・浜松城主太田資宗・掛川城主松平忠晴・代官松平親茂が国絵図・郷帳の調進を命じられたが、提出時には井上正利が転封となったため、本多利長が代わって名を連ねている。青山歴史村史料館には元禄国絵図作製に際して下図として使用されたと思われる正保度の国絵図が残されている。

活字本静岡県史」資料編九付録


遠江国郷村高帳(享保郷村高帳)
とおとうみのくにごうそんたかちよう

一冊

成立 享保期

写本 河村家文書

解説 表紙を欠くため、表題仮称。記載は各村の石高・村名・領主名、さらに助郷負担を記し、郡別に総石高数、領主別の石高数をまとめ、最後に遠江一国の総石高・総村数、領主別の石高、郡別の石高・村数が記されている。作成年代は記載されている領主名から享保三年から同一三年の間となるが、おそらく同一〇年の助郷改革に関連して作成されたものと考えられる。

活字本金谷町史」資料編二

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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