遠音別岳(読み)おんねべつだけ

日本歴史地名大系 「遠音別岳」の解説

遠音別岳
おんねべつだけ

斜里町の東部、知床しれとこ半島中央部の標高一三三〇・五メートルの火山山頂を通る稜線は斜里町と根室支庁目梨めなし羅臼らうす町の境界となる。知床連山から斜里岳に至る主稜線上に位置し、斜里からはなだらかな南西尾根を望むが、羅臼側は山頂から約四〇〇メートルが一気に切落ち、一転して荒々しい山容をみせる。「蝦夷日誌」(二編)には「ヲン子ベツ」の項に「川有。是より子モロ越の道有るよし聞けり」と山体南側の谷筋が斜里と標津しべつを結ぶ交通路として使用された。しかし山名自体の記述はみられず、北海道仮製五万分一図でも一二八〇メートルの標高点があるのみで山名の記載がない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の遠音別岳の言及

【知床半島】より

…東岸は根室海峡を隔てて国後(くなしり)島に相対する。新第三紀の堆積岩,火山角レキ岩,凝灰岩などを基盤とし,第四紀に噴出した海別(うなべつ)岳(1419m),遠音別(おんねべつ)岳(1331m),最高峰の羅臼岳(1661m),硫黄山(1563m),知床岳(1254m)などの知床連山と呼ばれる山脈が縦走し,半島の東岸と西岸の分水界をなす。硫黄山は頂部に北側に開いた馬蹄形の爆裂火口(径約1.2km)をもつ活火山で,明治期以降にも4回の噴火を繰り返し,1889年,1936年の噴火の際には北麓に多量の溶融硫黄を流出させた。…

※「遠音別岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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