斜里町(読み)しやりちよう

日本歴史地名大系 「斜里町」の解説

斜里町
しやりちよう

面積:七三六・九七平方キロ

昭和一八年(一九四三)から現在まで続く斜里郡の自治体。同年四月同郡斜里町から大字斜里村の一部が上斜里村(現清里町)として分離し、現在の範囲となった。網走支庁の東端、斜里郡北東部に位置し、北東端は北海道の北東端にあたる知床しれとこ半島で、岬側から知床岳硫黄いおう山・羅臼らうす岳・遠音別おんねべつ岳・海別うなべつ岳を経て斜里岳へと続く山岳地帯で、稜線をもって根室支庁目梨めなし郡羅臼町・標津しべつ郡標津町との境となし、南西は斜里岳山頂で、北西部は斜里平野で斜里郡清里きよさと町・小清水こしみず町と接している。北はオホーツク海に面する斜里平野の中央部を幾品いくしな川などの支流を集めて斜里川が北へ流れ、河口付近からJR釧網せんもう本線知床斜里駅にかけての地域に中心市街地が形成されているほか、知床半島中部のウトロにも人口の約一割が居住する。西部海岸沿いを東へ向かって走るJR釧網本線は、斜里川東岸で南に向きを転じたのち南西方へ進む。町域には同線知床斜里・中斜里・南斜里の三駅が設けられている。西方小清水町境の海岸部から南東根北こんぽく峠へと国道二四四号が通り、南西清里町から海岸に沿って国道三三四号が北東へ進み、ウトロ地区で北へ主要道道知床公園線を分岐して南東へ折れる。国道二四四号・三三四号は斜里市街地で交差する。知床半島の中央部以北は知床国立公園に、斜里川西方の海岸が網走国定公園に、斜里岳周辺が斜里岳道立自然公園に指定され、遠音別岳周辺が原生自然環境保全地域に指定されるなど恵まれた自然環境にある。


斜里町
しやりちよう

昭和一四年(一九三九)一月、斜里郡斜里村が斜里町と改称して成立した一級町村。同一八年四月、大字止別村やんべつむらの一部が分離し、同郡小清水こしみず村の一部とともに一級町村上斜里村(現清里町)となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斜里町」の意味・わかりやすい解説

斜里〔町〕
しゃり

北海道北東端にある町。斜里岳,羅臼岳などの知床山地の北側斜面を占め,北部はオホーツク海に面する。 1939年町制。地名はアイヌ語のシャルイ,シャリ (アシの生えているところの意) に由来。西部の海岸沿いに平野が広がり,中心市街がある。テンサイジャガイモニンジンなどの畑作農業が行われ,斜里,宇登呂両漁港を基地にサケ,マス,イカの水揚げがある。知床の木材資源の集散地。岩尾別温泉,知床五湖,羅臼岳,知床岬と海岸に発達する海食崖,滝,奇岩などの観光地があり,64年知床国立公園に指定。斜里岳の北麓一帯は斜里岳道立自然公園に属する。また,77年からナショナル・トラスト運動を展開し,環境保護に熱心な自治体として知られる。国道 244号線,334号線 (一部,知床横断道路) ,JR釧網本線が通る。面積 737.13km2。人口 1万1418(2020)。

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