標津(読み)しべつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「標津」の意味・わかりやすい解説

標津(町)
しべつ

北海道東部、根室振興局管内の町。知床(しれとこ)半島の東側つけ根にあり、根室海峡に臨む。1958年(昭和33)町制施行。町名アイヌ語「シペツ」(大きな川)、または「シベツ」(サケのいる所)による。町域は西部山地を除き、平坦(へいたん)な扇状地、火山灰地、泥炭地からなっている。国道244号、272号、335号が通じる。JR標津線が通ったが1989年(平成1)廃止された。海岸部は江戸時代に、内陸部は明治末期から開け、サケ、ホタテガイなどの沿岸漁業酪農が主産業。標津市街北方の海沿いにある標津湿原(国の天然記念物)は、高山亜寒帯の植物約80種が群生し、標津遺跡群(国史跡)の一部を含めて、ポー川史跡自然公園となっている。面積624.69平方キロメートル、人口5023(2020)。

[古川史郎]

『『標津町史』(1968・標津町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「標津」の意味・わかりやすい解説

標津[町] (しべつ)

北海道東部,根室支庁標津郡の町。人口5646(2010)。根室海峡に面し,町域には根釧(こんせん)台地斜里岳(1547m)南東斜面などの山地を含み,標津川,ポー川などの下流域には低湿地があり,日本最大の砂嘴,野付(のつけ)半島が延びている。標津川河口は早くから船着場として利用され,1879年戸長役場が置かれた。薫別,標津の漁港があり,サケ,マスをはじめとする漁業が中心産業で,町内8河川に孵化場が置かれている。台地では酪農が行われる。野付半島一帯は野付風蓮道立自然公園に属し,1500以上の竪穴住居跡が認められるポー川下流域の伊茶仁(いちやに)カリカリウス遺跡は国の史跡,標津湿原は天然記念物に指定されている。
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百科事典マイペディア 「標津」の意味・わかりやすい解説

標津[町]【しべつ】

北海道東部,標津郡の町。西に斜里岳がそびえ,東は根室海峡を隔てて国後(くなしり)島に対する。サケなどを漁獲,根釧(こんせん)原野の台地上では酪農も行う。624.68km2。5646人(2010)。

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