遣わされる（読み）ツカワサレル

デジタル大辞泉

つかわさ・れる〔つかはされる〕【遣わされる】

［動ラ下一］［文］つかはさ・る［ラ下二］《動詞「遣わす」の未然形＋尊敬の助動詞「れる」から》
１ 「与える」の意の尊敬語。くださる。およこしになる。
「お手紙でも―・れませ」〈洒・駅路雀〉
２ （補助動詞）動詞の連用形に助詞「て」を添えた形に付いて、動作主に対する尊敬を表す。…てくださる。
「谷田の奥さん例の達者なる英語にて通弁をして―・れ」〈鴎外・独身〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

つかわさ‐・れるつかはさ‥【遣】

1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
   [ 文語形 ]つかはさ・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 動詞「つかわす（使）」の未然形に尊敬の助動詞「れる」のついてできたもの )
2. [ 一 ] 自己または自己側の者に物などをくれる、よこすことをいう尊敬語。くださる。およこしになる。
   1. [初出の実例]「此様な結構なおみやげをつかはされた代りに」(出典：洒落本・列仙伝（1763）)
   2. 「なんなら銭で遣はされませ」(出典：歌舞伎・盟三五大切（1825）大詰)
3. [ 二 ] 動詞の連用形に助詞「て」のついた形について、補助動詞として用いる。その動作の主が恩恵を与える意を、恩恵を受ける立場から敬っていう。…（て）くださる。
   1. [初出の実例]「あの者が唯一言のお情けと申します。叶へて遣はされませい」(出典：歌舞伎・御曹司初寅詣（1701）上)

遣わされるの補助注記

連用形が四段活用のように用いられた、「人情・英対暖語‐二」の「妹のおしたひ申も無理ではござゐませんから、かはひがって遣(ツカ)はさって下さいまし」などの例もある。

出典　精選版 日本国語大辞典