改訂新版 世界大百科事典 「遷宮記」の意味・わかりやすい解説
遷宮記 (せんぐうき)
神宮・神社の遷宮に関する記録。神社では社殿の古くなるとともに新社殿を造営して遷宮したり,また伊勢の神宮その他一部の神社のように一定の年数ごとに新社殿を造営しての式年遷宮,その年数を待たず焼亡などによる臨時遷宮,雨もり修理などの間の仮殿遷宮等をする。そのときの記録が遷宮記で,それには,その準備,費用用材の調達,遷宮儀式等,後世を意識して丹念に記録したものがあり,その実態,変遷,それに対する時代意識などを知る上で重要なものがある。伊勢の神宮では《建久元年内宮遷宮記》《建久九年仮殿遷宮記》《嘉禄山口祭記》《暦仁以後本宮並別宮及外宮遷宮記》《遷宮例文》《御一宿仮殿遷宮記》等を残し,他社にも多く残されている。
執筆者:鎌田 純一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報