デジタル大辞泉
「焼亡」の意味・読み・例文・類語
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しょう‐もう セウマウ【焼亡】
〘名〙 (「もう」は「亡」の
呉音。古くは「じょうもう」)
① (━する) 建造物などが焼けてなくなること。焼けうせること。焼失。しょうぼう。
※
田氏家集(892頃)中・奉答視草両児詩「勝家焼亡曾不
レ日、良医傾没即非
レ時」
② 火事。火災。しょうぼう。
※権記‐長保三年(1001)九月一四日「及二深更一、西方有二焼亡一」
[語誌](1)「色葉字類抄」によると、
清音であったと思われるが、「天草本平家」「日葡辞書」など、室町時代のキリシタン資料のローマ字本によると「ジョウマウ」と
濁音である。
(2)
方言に「じょうもう」の変化形「じょーもん」があるところから、室町時代以降に口頭語としても広がりを見せたと思われる。
しょう‐ぼう セウバウ【焼亡】
※談義本・労四狂(1747)下「其冬、ちかきあたりより火出て、家蔵ともに残りなく焼亡(ゼウボウ)し」
やき‐ほろぼ・す【焼亡】
〘他サ四〙 焼き払ってすっかりなくなるようにする。焼失させる。
※
万葉(8C後)一五・三七二四「君が行く道の
長手を繰りたたね也伎保呂煩散
(ヤキホロボサ)む天の火もがも」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報