選ばれし人(読み)えらばれしひと(その他表記)Der Erwählte

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「選ばれし人」の意味・わかりやすい解説

選ばれし人
えらばれしひと
Der Erwählte

ドイツの作家トーマス・マン小説。 1951年刊。ハルトマン・フォン・アウエ作品手掛りグレゴリウス伝説に取材して恩寵奇跡を描いたもの。2重の近親相姦の罪を負ったグレゴリウスが,17年にわたる贖罪苦業を経たのちに,神の恩寵によって教皇に選ばれるという物語で,近親相姦を深層心理的に現代の問題としてとらえつつ,人間性回復の希望を託した作品。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 ハルトマン

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む