中国東北の遼寧省に分布の中心をもつ,東アジア特有の青銅製の剣制の一つ。かつては満州式銅剣とも呼ばれ,また琵琶形銅剣とも呼ばれる。剣身は鋒部が鋭く,中央部が左右に突出し,剣尾が幅広くなった特有の曲刃形で,脊(せき)は円柱状をなし,延伸して短い茎(なかご)となる。この剣身に別造りのT字形剣把を組み合わせた,独特の形態の青銅製短剣である。この点,剣身と剣把を同時に鋳造してつくる中国式銅剣や,内モンゴル高原に分布する触角式把頭をもったオルドス式銅剣(オルドス青銅器)とは性格を異にする。この剣身と剣把を別造りとする形態は,朝鮮,日本の銅剣に大きな影響を与えた。この遼寧式銅剣は,(1)典型的な曲刃形剣身と有機質製T字形剣把の組合せ,(2)曲刃形剣身とZ字連続雷文飾青銅T字形剣把の組合せ,(3)幅の狭い剣身に細鱗文を飾った青銅T字形剣把の組合せ,の3期に分けられ,年代は春秋時代後期から戦国時代末期にわたる。また,この剣を使用した民族は東胡族である可能性が強い。
→銅剣
執筆者:秋山 進午
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…またオルドス式銅剣の柄頭飾は,遼寧,朝鮮,日本の銅剣の一部にも採用された。 遼寧地方で発達した遼寧式銅剣は,断面円形の脊をもつ剣身とT字形の柄とを別鋳する。朝鮮,日本の銅剣はこの剣の系譜下にある。…
※「遼寧式銅剣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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