那古村(読み)なごむら

日本歴史地名大系 「那古村」の解説

那古村
なごむら

[現在地名]館山市那古

正木まさき村の北に位置し、西はかがみヶ浦に臨む。鹿野山かのうざん道が縦断する。北部の那古山の頂部には和泉式部の墓と伝承される塚があり、同山中腹には坂東三十三ヵ所観音霊場の結願所で、養老年間(七一七―七二四)行基によって開かれたと伝える那古寺がある。近世にはへい(はじめ北郡)のうち。文明一八年(一四八六)聖護院道興は「那古の観音」に詣で、当地の浦を歌に詠じている(廻国雑記)。慶長二年(一五九七)の安房国検地高目録に村名がみえ、高三〇九石余(うち田一八二石余)。同一五年の里見家分限帳では高一〇九石余が那古寺領、ほかは茶道衆の印東惣斎や百人衆の豊崎勝兵衛らの給知となっている。正保郷帳では田高一八七石余・畑高九五石余で、旗本石川領。ほかに那古寺領高一〇九石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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