那辺・奈辺(読み)なへん

精選版 日本国語大辞典 「那辺・奈辺」の意味・読み・例文・類語

な‐へん【那辺・奈辺】

〘代名〙 (「那」は中国語疑問詞、また、遠称代名詞。「奈」は音が通じて「那」と同意に用いられるもの)
① 遠称。あのあたり。あそこ。
正法眼蔵(1231‐53)心不可得「這辺にあるか、那辺にあるか、無上菩提にあるか、般若波羅蜜にあるか」
② 不定称。不定の場所を示す語。どのあたり。どこ。日本では、明治期などに多用され、主として抽象的な場所や位置をいうのに使う。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙一一「此原因は那辺(ナヘン)にあるか」 〔李白‐相逢行〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android