邯鄲の夢(読み)カンタンノユメ

デジタル大辞泉 「邯鄲の夢」の意味・読み・例文・類語

邯鄲かんたんゆめ

邯鄲のまくら

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精選版 日本国語大辞典 「邯鄲の夢」の意味・読み・例文・類語

かんたん【邯鄲】 の 夢(ゆめ)

  1. かんたん(邯鄲)の枕
    1. [初出の実例]「是を邯鄲(カンタン)午炊(ごすい)の夢とは申す也」(出典太平記(14C後)二五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「邯鄲の夢」の意味・わかりやすい解説

邯鄲の夢
かんたんのゆめ

人の世の栄枯盛衰のはかないことのたとえ。「一炊(いっすい)の夢」「邯鄲夢の枕(まくら)」「盧生(ろせい)の夢」などともいう。中国唐の開元年間(713~741)、盧生という貧乏な青年が、趙(ちょう)の都邯鄲で道士呂翁(りょおう)と会い、呂翁が懐中していた、栄華が思いのままになるという不思議な枕を借り、うたた寝をする間に、50余年の富貴を極めた一生の夢をみることができたが、夢から覚めてみると、宿の亭主が先ほどから炊いていた黄粱(こうりゃん)(粟(あわ))がまだできあがっていなかった、という李泌(りひつ)作の『枕中記(ちんちゅうき)』の故事による。

[田所義行]

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世界大百科事典(旧版)内の邯鄲の夢の言及

【邯鄲】より

…能の曲名。四番目物。作者不明。シテは盧生(ろせい)。蜀の国の盧生という若者が人生に疑問を持ち,仏道の師を求めて羊飛山へ赴く途中,邯鄲の里で雨宿りをする。宿の女あるじ(アイ)が,不思議な枕を見せて勧めるので昼寝の床につくと,楚国の帝の使(ワキ)が来て盧生を起こし,譲位の勅を伝える。都へ導かれて即位した盧生は,満ち足りた栄華を味わう(〈上歌(あげうた)・下歌(さげうた)〉)。即位50年の酒宴では舞童(子方)の舞を見(〈夢ノ舞〉),自分も立って舞い興じるが(〈楽(がく)〉),それはすべて夢の中の出来事で,宿の寝台に寝ていたのだった(〈ノリ地〉)。…

【枕中記】より

…中国の戯曲小説の題材となったほか,日本でも謡曲,黄表紙などに影響を与えた。成語の〈邯鄲の夢〉はこれに由来する。【内山 知也】。…

※「邯鄲の夢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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