郡司鋳造所跡(読み)ぐんじちゆうぞうしよあと

日本歴史地名大系 「郡司鋳造所跡」の解説

郡司鋳造所跡
ぐんじちゆうぞうしよあと

[現在地名]萩市大字椿東 無田ヶ原

萩三角洲の東郊松本まつもと川下流域右岸にある。同川に注ぐ月見つきみ川の北に隣接し、周囲には伏流水がつくる泉が点在する。この水の利便の良い地を選び、毛利氏の萩城入城とともに、江戸時代の初めに鋳物師の郡司家が三田尻みたじり鋳物師いもじ(現防府市)から移住した。当初は鋤・鍬などの農具や鍋・釜および仏具の類を鋳たが、のち梵鐘や半鐘のような複雑な図様をもつ大型の鋳物器を加え、その技術の集大成として、幕末にいわゆる長州砲およびその弾丸の生産に携わった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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