郷町(読み)ごうまち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郷町」の意味・わかりやすい解説

郷町
ごうまち

江戸時代城下町とは別に郷村内部に発達した都市的村落幕府兵農分離商農分離のたてまえから,こうした都市的村落は,町という名称を残しながらも町奉行ではなく郡奉行管轄を受け,交通,商業上の役割は城下町と比べて著しく制限されていた。しかし,江戸時代中期以降在郷商人の成長に伴い,幕府,諸藩も彼らに新たな課税を行うことによって,その地位を認めるようになり,とりわけ大都市の周辺や工業の盛んな地方で,その傾向は著しかった。

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世界大百科事典(旧版)内の郷町の言及

【在郷町】より

…日本近世では法的に都市・と農村の区別が存在したが,農村地域にありながら実質は町として活動しているものをいう。郷町,町分,町場,在町,町村などの名称をもつ場所をさす。ただし法的に町として認められている場所でも,農商混住の在方の町では在郷町とよぶことがある。…

※「郷町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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