郷野目村(読み)ごうのめむら

日本歴史地名大系 「郷野目村」の解説

郷野目村
ごうのめむら

[現在地名]福島市郷野目

阿武隈川荒川の合流点南方に位置し、北は方木田ほうきだ村、南は鳥谷野とやの村、南西太平寺たいへいじ村。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)八月八日条に信夫しのぶ庄司佐藤氏の一族としてみえる河辺太郎高経は名字をカウノベと読み、カウノベの地は当地にあたるとする説がある(大日本地名辞書)。この説が正しければ、古代末期郷野目は方木田の地を併せて荒川・阿武隈川の川辺にあったのであろうか。村名の由来について「信達一統志」は、かつて湖であった当地域が陸地となり郷の名を初めて称した所で、目は名という意味と説くが、河辺かうのべから郷野目という立地に基づく命名とするほうがより説得的であろう。南北六町・東西五町の狭小な村で(元禄一六年「村明細帳」福島市史)、中央を奥州道中が南北に貫通し、街道に沿って屋敷が並んだことは江戸後期の村絵図(安斎家蔵)に明らかである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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