朝日日本歴史人物事典 「鄭永寧」の解説
鄭永寧
生年:文政12.8.11(1829.9.8)
明治期の外交官。長崎で「呉氏六秀(呉家の秀才兄弟)」の末子に生まれ,代々唐通事の鄭家を継ぐ。外務省に入り,大訳官,外務少記,1等書記官,権大書記官と累進。この間,柳原前光,伊達宗城,副島種臣,大久保利通,森有礼,伊藤博文の各清国派遣に随行,談判通訳に従事。のち司法省に転じ『大清会典』の訓点に尽くす。明治19(1886)年退官し閑居。長男鄭永昌は北清事変(1900)時の天津領事,袁世凱嘱託。次男鄭永邦は北京公使館書記官,『官話指南』は呉啓太との合著。墓は谷中霊園。<参考文献>東亜同文会編『対支回顧録』下,黒竜会編『東亜先覚志士記伝』下
(安岡昭男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報