酵素サイクリング法(読み)こうそさいくりんぐほう(その他表記)enzyme cycling method

知恵蔵 「酵素サイクリング法」の解説

酵素サイクリング法

特定化学反応を進める酵素の働きを利用して、ごく微量物質濃度を測定する手法従来の手法では、微量の物質の濃度を測定するには、例えば、酵素を用いて発色反応を行わせ、その発色の強さによって物質の濃度を知る。酵素サイクリング法では、他の種類の酵素と組み合わせて、従来法の発色反応が増幅して起こるようにする。従来法での発色の程度が1だとすると、酵素サイクリング法では発色の程度を1万倍近く大きくすることができる。このため、従来法では検出不可能であった微量の物質を、酵素サイクリング法では検出できる。血液中の微量の腫瘍(しゅよう)マーカー(がん細胞が存在していることを示す物質)の検出や、牛のBSE(牛海綿状脳症)検査での、ごく微量の病原体プリオンの検出などへの応用が進められている。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む