醍醐寺五重塔(読み)だいごじごじゅうのとう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「醍醐寺五重塔」の解説

醍醐寺 五重塔
だいごじごじゅうのとう

山麓伽藍(下醍醐)にあり,南面する金堂の前方東側にたつ大規模な塔。951年(天暦5)完成,翌年供養。初重内部の全面金剛界胎蔵界諸尊などの仏画文様(初重壁画も国宝)が極彩色で描かれ,平安中期の密教の塔内荘厳がわかる。相輪が塔身に比べて長く大きい点も特徴。高さ38.2m。国宝。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の醍醐寺五重塔の言及

【平安時代美術】より

…この期の現存遺構は室生寺金堂,同五重塔,当麻寺西塔が早い例で,これらは奈良時代建築のなごりをなおとどめている。952年(天暦6)建立の醍醐寺五重塔はその初層内部を板張りの床につくり,心柱の囲い板,四天柱に両界曼荼羅諸尊像,四方腰羽目に真言八祖像が描かれ,密教寺院の塔としての特色を見いだせる。(2)中期 天台密教から派生した浄土信仰は平安中期から後期にかけて貴族や庶民に大きい影響を与え,特に貴族の間で浄土教の説く功徳主義に共鳴し造寺・造仏を競合する風潮を生んだ。…

※「醍醐寺五重塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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