野中 退蔵(読み)ノナカ タイゾウ

20世紀日本人名事典 「野中 退蔵」の解説

野中 退蔵
ノナカ タイゾウ

大正・昭和期の美術評論家 元・宇都宮大学教授。



生年
明治28(1895)年5月5日

没年
昭和61(1986)年2月4日

出生地
栃木県

学歴〔年〕
東京高等師範卒,東北帝大法文学部卒

主な受賞名〔年〕
栃木県文化功労者〔昭和34年〕,勲三等瑞宝章〔昭和44年〕

経歴
旧制中学に務めた後、大学に進学、昭和10年から3年間ハーバード大学に留学しウォーナー博士に師事する。帰国後は旅順高校教授となり、終戦後、米軍関東軍政部文化顧問に就任する。23年栃木師範学校教授、24年宇都宮大学教授として11年間教鞭を執る。一方、栃木県文化財保護審議会委員を務め、郷土の文化財の紹介・保護に尽力、専門の美術・工芸部門のほか県内の民俗や伝統芸能などに関心を示し伝承や活動を支援した。晩年は喫茶芸談会を主宰し会員にその思想を広めると共に執筆活動に専念する。その一生は東洋美術のすばらしさを説くと共に、郷土の文化財を研究し紹介することに費やされた。著書は主に県内の画家焦点を当てたもので、代表作に「下野の画人とその代表作」「荒井寛方・人と作品」「牧野牧陵百撰」「小杉放菴・生涯と芸術」などがある。また名文家としても知られ多く随筆を残した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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