野津俣村(読み)のつまたむら

日本歴史地名大系 「野津俣村」の解説

野津俣村
のつまたむら

[現在地名]勝山市野向のむき北野津又きたのつまた

勝山盆地の北にあり、大日だいにち峠を越えると加賀国新保しんぼ(現石川県小松市)に通じる。大野郡穴馬谷あなまだに(現和泉村)市布いちぬの道場の、明応七年(一四九八)一〇月一八日付実如筆方便法身像の裏書に「野津俣長勝寺門徒」と記される。正徳三年(一七一三)の長勝寺由緒書(法勝寺文書)によれば、宝徳年間(一四四九―五二)勝山郷野津俣に長勝ちようしよう寺が建立され、文明三年(一四七一)本願寺蓮如がこの野津俣道場に入り布教したという。その時の御殿跡(蓮如屋敷跡)は、現在の氏神白山神社の地に比定され、門外立石が今に伝える蓮如岩という。法勝寺文書によれば、野津俣長勝寺が大野郡における浄土真宗の布教の一つの中心になっていたと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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