野辺庄（読み）のべのしよう

日本歴史地名大系

野辺庄
のべのしよう

• 奈良県：桜井市
• 三輪・纏向地区
• 東田村
• 野辺庄

常楽会免田を含む興福寺雑役免田である。延久二年（一〇七〇）の興福寺雑役免帳の城上（しきのかみ）郡に「野辺庄廿三町二反六十歩　不輸田畠十五丁三反二反イ　公田畠七町九反六十歩」とある。

不輸田畠の内訳と条里（括弧内は坪数）は、常楽会免田四町が一七条一里（四）、一八条二里（二）、長谷寺免田一〇町が一八条二里（九）・三里（九）、法興院田六反が一八条二里（一）、無主位田七反が一八条二里（一）である。公田畠の条里は一八条二里（三）・三里（一〇）、一九条三里（三）である。以上の条里によると、野辺庄の所在は現大字東田（ひがいだ）を中心とする地域に比定される。延久以後については、応永六年（一三九九）の興福寺造営段米田数帳（春日神社文書）の城上郡に「寺方　能辺庄三十六町」とあるので、興福寺寺務領と考えられる能辺（のべ）庄になったと推測される。

野辺庄
やべのしよう

• 富山県：西礪波郡
• 福岡町
• 野辺庄

小矢部（おやべ）川右岸、現福岡町矢部（やべ）一帯に比定される室町院領庄園。年未詳の室町院領目録（八代恒治氏旧蔵文書）に、新御領として「野辺庄」とみえる。当庄は後堀河天皇皇女室町院暉子内親王が正安二年（一三〇〇）に没し、室町院領が同四年八月大覚寺統と持明院統に折半して伝領されたうちの持明院統領に含まれた。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」