日本大百科全書(ニッポニカ) 「野鳥の森」の意味・わかりやすい解説
野鳥の森
やちょうのもり
鳥獣保護対策の一環として、広く国民に野鳥保護の思想を普及させることを目的に整備された森林。自然保護を基調に多くの野鳥がすめる環境を保全維持することによって、人々に潤いと和みをもたらし、さらには農林業の振興にも役だたせるため、環境庁(現環境省)の管轄で1972年(昭和47)に国有林を利用して、北海道上川郡美瑛(びえい)町白金、青森県十和田(とわだ)市蔦(つた)、長野県軽井沢町、宮崎県霧島高原御池の4か所に国設の野鳥の森が整備された。このほかに日本野鳥の会が整備した北海道苫小牧(とまこまい)市のウトナイ湖サンクチュアリや、各県が整備した県設の野鳥の森(18か所)がある。また市町村や民間で整備された野鳥の森も数十か所に及ぶ。
[沢 史生]