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金属の疲労 きんぞくのひろうfatigue of metals

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金属の疲労
きんぞくのひろう
fatigue of metals

金属は一定の弾性限と破壊応力をもち,弾性限以下の応力では弾性を保つし,破壊応力以下の力では破壊しないとされる。しかし破壊応力以下,ときには弾性限以下の応力でさえ,長時間多数回繰返し力を加えて変形させると破壊することがある。これが疲労で,力が大きいほど破断にいたる繰返し変形回数は少い。実験室の疲労試験では 107 ~ 108 回の繰返しでも破壊しない最小限の応力を疲労限としているが,実際はそれ以下の応力で破壊する例も少くない。疲労破壊の原因は材質内部の不均一のため局部的に応力集中が起り,最初ミクロ的な割れ (ヘアークラック) を生じてそれが伝播するためとされるが,簡単には言い切れない点があり,研究が進められている。車軸など機械の回転部分はいうまでもないが,一見動かないようにみえる船体,橋梁,高圧配管,埋設水道管やガス管,ボイラ各部分なども疲労破壊の危険は大きい。疲労による破壊面は通常の破面と異なり,脆性破壊のような外見を示すことが多い。また疲労は長期の現象なので,その間に応力を受けた部位は受けない部位よりも電気化学的に卑となって,腐食されやすい。その結果腐食と応力集中の悪循環をきたし,著しく疲労破壊を促進する。これを疲労腐食 (→金属の腐食 ) といい,水分の中,特に海水などの電解質の液の中で顕著である。

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