金星太陽面経過観測地(読み)きんせいたいようめんけいかかんそくち

日本歴史地名大系 「金星太陽面経過観測地」の解説

金星太陽面経過観測地
きんせいたいようめんけいかかんそくち

[現在地名]西区宮崎町

野毛のげ山丘陵の東端野毛坂右側で野毛山不動尊の北側の丘上。明治七年(一八七四)一二月九日、太陽と地球との距離の測定を目的として金星の太陽面通過の観測がアジアや南太平洋諸島で行われた。日本では長崎・神戸・横浜・函館などで観測された。横浜には他の諸国より準備が遅れたメキシコ観測隊が一一月九日に到着、まず第二観天場に山手居留地五二番(現中区)が選ばれ、次いで第一観天場を当所に置いた。

日本政府は海軍水路寮の吉田重親ら三名をこの観測に派遣している。当日は好天で、午前一一時〇分五〇秒に金星の太陽への進入外触が始まり、午後三時四九分五〇秒に退去外触で終り、観測は成功した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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