金時・公時(読み)きんとき

精選版 日本国語大辞典 「金時・公時」の意味・読み・例文・類語

きんとき【金時・公時】

[1] 源頼光の四天王の一人坂田金時のこと。金太郎
今昔(1120頃か)二八「平の貞道、平の季武、の公時と云ふ三人の兵有けり」
※雑俳・柳多留‐六(1771)「金時は鬼が出ないとねかしもの」
[2] 〘名〙
① (一)をかたどった人形。金太郎。赤ら顔であるところから、顔の赤い人をたとえてもいう。
黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一「盃の数何時か重なって、大人国の金時の様に」
浄瑠璃で、人形頭の一つ。力のはいった口と顎(あご)、ぎょろっとした大きい目が特色で、「一谷嫩軍記‐熊谷陣屋の段」の梶原景高などに用いる。
※雑俳・柳多留‐五八(1811)「金時を升で斗るはこく問屋」
ササゲを砂糖で甘く煮たもの。子どもの菓子や、おやつの食物とした。
※歌舞伎・彩入御伽草(おつま八郎兵衛)(1808)序幕「金時(キントキ)を売った男でござりやすが」
⑦ 氷水の一つ。小豆(あずき)を砂糖で煮たものに氷水をかけたもの。

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