改訂新版 世界大百科事典 「金牛山」の意味・わかりやすい解説 金牛山 (きんぎゅうさん)Jinniushan 中国遼寧省営口の金牛山という石灰岩の山にある中期更新世の洞窟遺跡。1984年に個体骨格化石が発見され,金牛山人と呼ばれている。年代はウラン系列法で約28万年前と推定されている。脳頭蓋は大きく,頭蓋腔容積(脳容積より10%ほど大きい)は1390mlに達する。脳頭蓋は長く,眼窩上隆起や後頭隆起が発達しているが,頭蓋底と側頭部の幅はほぼ等しく,旧人の特徴に一致する。骨盤は頑丈で,幅広く,アフリカの原人やヨーロッパの旧人と似ている。また,恥骨は長く,ホモ・ネアンデルタレンシスとも似ているが,系統的関係はないと考えられる。執筆者:馬場 悠男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by