改訂新版 世界大百科事典 「脳容積」の意味・わかりやすい解説 脳容積 (のうようせき)brain volume 脳容積は脳の容積だが,実際に測定する場合は,脳だけでなく延髄の一部も含み,さらに脳の周辺のクモ膜や血管などを含んだまま測定される。化石人類などでは,脳が失われているので,頭蓋腔の容積を測り,その90%ほどを脳容積とみなす。それは,頭蓋腔の中には,脳だけでなく,クモ膜,硬膜,静脈洞などの血管があり,さらに隙間を脳脊髄液が満たしているからである。化石人類の頭蓋腔容積は,猿人では約350~550mlであり類人猿と大差ないが,原人では約550~1200mlと増加する。旧人では約1200~1600mlとなり,私たち新人とほぼ同じになる。執筆者:馬場 悠男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by