金谷郷(読み)かなやごう

日本歴史地名大系 「金谷郷」の解説

金谷郷
かなやごう

近世の郷名。福知山藩(朽木氏時代)領内四郷の一。おおむね和久わく川が由良川に注ぐ辺りから下天津しもあまづ村までの由良川流域およびまき川流域をさした。天明二年(一七八二)三月の奥野部おくのべ村庄屋の覚書(「福知山領田高畑高控」芦田重左衛門家蔵)によると、金谷郷は和久市わくのいち荒河あらが猪崎いざきなか池部いけべうるしはな・上天津・下天津・牧・立原たつわら十二じゆうに下小田しもおだ・上小田田和たわ宮垣みやがき猪野野いのの梅谷うめだにの一七ヵ村(七千七三六石余)である。


金谷郷
かなやごう

現在の金谷町辺りに所在した中世の郷。長禄二年(一四五八)八月一〇日の足利義政御判御教書(清和院文書)質呂しとろ庄金屋郷とみえ、義政は清和せいわ(現京都市上京区)に当郷などを当知行に任せ安堵している。当郷は応永三二年(一四二五)八月一一日の足利義持寄進状(同文書)によって清和院に寄進されたもので、同寄進状では質侶庄領家職半分と表記されていた。明応五年(一四九六)九月二六日、今川氏親は金谷郷内深谷などを長松ちようしよう(現掛川市)に寄進しているが(「今川氏親判物」長松院文書)、永正二年(一五〇五)八月五日の今川氏親判物(同文書)によればそれは深谷内宮田名で、今川義元らから安堵されている(天文六年六月九日「今川義元判物」同文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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