清和院(読み)セイワイン

デジタル大辞泉 「清和院」の意味・読み・例文・類語

せいわ‐いん〔‐ヰン〕【清和院】

京都市上京区にある真言宗智山派の寺。平安時代初期に文徳天皇正親町おおぎまちの南に仏心院を建立したのに始まり、のち清和天皇落飾、入寺して改称室町時代に焼失したが、のち現在地に再興された。清和井せがい院。

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精選版 日本国語大辞典 「清和院」の意味・読み・例文・類語

せいわ‐いん‥ヰン【清和院】

  1. 京都市上京区一観音町にある真言宗智山派の寺。仁寿年間(八五一‐八五四文徳天皇が染殿の后のために創建した仏心院を、貞観一八年(八七六清和天皇が譲位ののち入山して現名に改称。代々皇子・親王の住院となり、内道場に定められた。寛文元年(一六六一)現在地に移転清和井院(せかいいん)。勢賀院(せかいん)感応寺

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日本歴史地名大系 「清和院」の解説

清和院
せいわいん

[現在地名]上京区一観音町

一本いつぽん寺と号し、真言宗智山派。本尊の木造地蔵菩薩立像は国指定重要文化財。創立・開基については不明であるが、「山城名勝志」は寺伝として、「始曰仏心院見徳治二年三月十九日綸旨、後依勅号清和院、染殿第今清和院也北限正親町 南限土御門 東限京極 西限富小路、本尊延命地蔵菩薩一演僧正作、清和天皇御長奉摸尊容也御長六尺二分、帝恭敬し給ふ所の仏舎利二粒を左右の御眼のひとみに入給ひ、腹心には宸筆法華経一部を納らる」と記し、御所内にあった清和院を継承したもので、初め仏心ぶつしん院と称し、壱演(一演)作の清和天皇を模した延命地蔵を安置したとする。「薩戒記」応永三二年(一四二五)二月二四日条に「参詣清和院地蔵堂」とあるのは当院をさすか。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清和院」の意味・わかりやすい解説

清和院
せいわいん

京都市上京(かみぎょう)区一観音(いちかんおん)町にある真言宗智山(ちさん)派に属する寺。古くは勢賀院(せかいん)ともいい、感応(かんおう)寺と号した。本尊は延命地蔵(じぞう)。平安初期に文徳(もんとく)天皇が染殿后妃のために仏心(ぶっしん)院を建立したのに始まり、ついで清和(せいわ)天皇が照空(しょうくう)を召して開山とし、当寺で落飾して清和院と改称、当寺に多くの高僧を招いて大斎会(だいさいえ)を行い、『法華経(ほけきょう)』を講じさせた。のち皇子親王の住院となって発展したが、室町時代、応仁(おうにん)(1467~1469)・享禄(きょうろく)(1528~1532)の兵火のため焼失し、1661年(寛文1)現在地に復興された。

[勝又俊教]

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