国指定史跡ガイド 「銚子塚古墳〈佐賀県〉」の解説
ちょうしづかこふん【銚子塚古墳〈佐賀県〉】
佐賀県佐賀市金立町にある古墳。佐賀平野の北部、脊振(せふり)山系の一峰である金立山(きんりゅうざん)の南山麓の平地に造営された前方後円墳。古墳は全長98m、後円部径58m、高さ8m、前方部の最大幅32m、高さ4.8mと大規模なもので、前方部幅が狭くて長い平面形を示し、典型的な柄鏡式をしている。幅16~28mの周濠が全体をめぐっているが、前方部の濠は、一部谷地形をとり込んでいる。墳丘は前方部2段、後円部3段の築成で葺石(ふきいし)が見られ、埴輪(はにわ)は認められていないが、数個の壺形土器が後円部から前方部への斜面部分で採集されている。この壺形土器は屈折した口縁部、直立した頸部をもち、胴部は球形、底部は尖底に近く、穿孔(せんこう)されている古式の土師器(はじき)である。この古墳は4世紀末から5世紀初頭に属し、佐賀県下において第2の規模をもつものであることなどから、1978年(昭和53)に国の史跡に指定された。JR長崎本線ほか佐賀駅から市営バス「金立神社前」下車、徒歩約3分。