錦木里
にしきぎのさと
小湊川の東岸にあり、和歌の名所の錦木の伝説を伝える。昔槻の大木があったといい、ツキノ木ともよぶ。
天明六年(一七八六)の橘南谿の「東遊記」に「錦木の古跡は南部領と津軽領との境小湊と云ふ所の傍らにあり。街道より東南の方へ余程入り込みたる所なり。其跡にツキと云ふ木の、檜木に似て殊に大木なるが、一本残りありしが、四五年以前に雷火にて其木焼失せりとなり」とある。同八年菅江真澄は「外が浜つたひ」に「潮立テ川の橋にたちてしばしは見渡し、小湊に来る。なべての名を比良奈以とよべり。こゝのふる翁の云、むかし、此ところに槻の生ひたるあたりを、錦樹の里といひよし聞つたへて侍る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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