鍬江村(読み)くわえむら

日本歴史地名大系 「鍬江村」の解説

鍬江村
くわえむら

[現在地名]黒川村鍬江

高坪たかつぼ山東麓にあり、西山にしやま川が山麓を東流して霧出きりで(現鍬江沢川)に合流し、北へ流れる。集落は霧出川両岸の段丘上に南北に連なり、又助またすけ橋・久保くぼ橋・西山橋・神明しんめい橋・鍬江橋の五橋により結ばれる。北は岩船郡山本やまもと(現関川村)、南は小長谷こながたに村に接する。建治三年(一二七七)一一月五日の高井道円(時茂)譲状(三浦和田氏文書)奥山おくやま庄「くわのゑ」とみえ、道円から孫茂長へ譲られ、弘安元年(一二七八)五月一八日「鍬柄」譲渡が認められた(「鎌倉将軍家(惟康親王)政所下文案」同文書)。正中二年(一三二五)七月七日の関東下知状写(同文書)によれば、この頃道円の甥の子にあたる大津重胤と和田茂長女子平氏との間に当地の領有をめぐって争いが起きたが、すでに二〇年の年紀を過ぎているため重胤の訴えは濫訴として退けられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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