国指定史跡ガイド 「鎌倉大仏殿跡」の解説
かまくらだいぶつでんあと【鎌倉大仏殿跡】
神奈川県鎌倉市長谷(はせ)にある大仏殿跡。大仏切通の南東約350m、長谷(はせ)の谷に所在。国宝銅造阿弥陀如来坐像は鎌倉大仏、露坐の大仏として親しまれており、鎌倉大仏と大仏殿(高徳院)は、鎌倉幕府の全面的な支援で造営されたと考えられている。2000年(平成12)からの発掘調査では、大仏鋳型の周囲に順次土を盛り上げていった斜めの土層の鋳造遺構を確認。この堆積土は大仏鋳造後に削平されて、礎石を据える根固め工事が行われており、根固め遺構は直径約3m、深さ約2mの穴を掘り、砂利と凝灰岩を交互に突き固め、大仏を中心に方形に配置されている。大仏殿跡は桁行145尺(約44m)、梁行140尺(約43m)、中央柱間27尺(約8m)、脇柱間22尺(約7m)の5間四方で、周囲に柱間15尺(約5m)の裳階(もこし)が付く建物であったと考えられ、2004年(平成16)に国の史跡に指定された。江ノ島電鉄長谷駅から徒歩約7分。