鎖し(読み)トザシ

デジタル大辞泉 「鎖し」の意味・読み・例文・類語

と‐ざし【鎖し/×扃し】

門戸をとざすこと。また、とざした門戸。
「訪ふべき―もなかりけり」〈平治・下〉
門戸をとざす道具。錠・掛け金の類。
かすがひも―もあらばこそ」〈催馬楽東屋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鎖し」の意味・読み・例文・類語

と‐ざし【鎖・扃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 門や戸をとざすこと。戸締まり。また、とざした門や戸。
    1. [初出の実例]「わびてすむ宿にひかりの暮行はふくかぜのみぞとざし成ける」(出典:千里集(894))
    2. 「きぬ掛松の下に、新しき女乗物、誰かは捨置ける〈略〉大勢集りて、戸(ト)ざしを明て見るに」(出典浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)二)
  3. 門戸をさしかためる用具。錠・掛金の類。
    1. [初出の実例]「鎹(かすがひ)も 止左之(トザシ)もあらばこそ その殿戸 我鎖さめ おし開いて来ませ 我や人妻」(出典:催馬楽(7C後‐8C)東屋)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android