鎰取り(読み)かぎとり

精選版 日本国語大辞典 「鎰取り」の意味・読み・例文・類語

かぎ‐とり【鎰取・鍵取・典鎰】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、中務省に属して監物(けんもつ)とともに庫蔵の鍵の出納をつかさどる官職。のち諸司に置く。定員は大典鎰二人、少典鎰二人。かぎつかさ。かぎのつかさ。かいとり。典鎰(てんやく)。〔九暦‐逸文・天暦四年(950)八月三日〕
  3. 社寺の職制の一つ。厨子(ずし)の鍵を預かりその開閉をする。真宗においては勤番(きんばん)をいう。〔東大寺続要録(1281‐1300頃)〕
    1. [初出の実例]「鎰取と申て開山聖人の御厨子の役人にて候つる由候。御戸は御住持御なれば如此由候」(出典:実悟記(1580)二)
  4. 中世寺社領等の荘園で、倉庫の鍵を預かるもの。〔高野山文書‐元応元年(1319)七月一〇日・太田庄桑原方雑掌定淵起請文〕
  5. 江戸時代、村役人の一つ。郷蔵の管理をする。また、蝦夷地においては勘定所の支配下で倉庫の出納をつかさどる。〔財政経済史料‐一〇・属島・蝦夷地・元祿四年(1691)二月日〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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