日本歴史地名大系 「長万部岳」の解説 長万部岳おしやまんべだけ 北海道:渡島支庁長万部町長万部岳渡島山地に属し、長万部町と今金(いまかね)町の境にある標高九七二・四メートルの山。内浦湾と日本海の分水嶺で、当山を水源とする長万部川(流路延長二四・七キロ)は東流して内浦湾に、後志利別(しりべしとしべつ)川(同七五キロ)は西流して日本海に注ぐ。山体は変成岩・流紋岩・花崗岩などから構成される。「地名考并里程記」にヲシャマンベの嶺に消え残る雪がシャマンベすなわち鰈の形状であることから地名になったと記される。また「此所より西地ヲタスツ江山道あり、行程凡十一里余あると云ふ。春中堅雪の節は一日にヲタスツへ罷越」と続ける。「湯浅此治日記」天保一六年(弘化二年、一八四五)正月一三日条によると、東在で疱瘡が流行したため、松前藩は箱館在の百姓でまだ疱瘡にかかったことのない者が「ヲシヤマンヘ越」で西地へ出稼に行くことを禁じている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by